ネットカフェ、シーシャ屋、ポーカールームの取材を続けていると、店主さんからよく聞くのが「平日の早い時間が埋まらない」という話です。個人のお客さんは夜と週末に偏ります。
この空きを埋められているお店に共通していたのが、法人や団体の利用を自分から取りに行っていることでした。会社の懇親会でポーカールームを貸し切る、採用イベントの控室にネットカフェの個室フロアを使う、社内サークルのシーシャ会。どれも待っていて来る需要ではなく、こちらから近くの企業に声をかけて初めて生まれています。
今回は、店舗が法人に声をかける手順を、営業の専門ではない店主さん向けに整理します。
声をかける相手のリストを作る
相手は、店から徒歩圏か電車で2〜3駅の企業です。遠い会社は、どんなに条件がよくても幹事さんの候補に入りません。
規模は従業員20〜100人くらいが狙い目です。この規模の会社は、懇親会や歓迎会の幹事を社員が持ち回りでやっていて、毎回会場探しに困っています。会社名、サイトのURL、問い合わせフォームのURL、従業員の規模を1行ずつ並べたものがリストになります。最初は20社で十分です。
リストの列をどう設計するか、無料で使える企業名簿は何か、重複をどう消すかは、こちらの記事が手順として丁寧です。
→ 営業リストの作り方|12列テンプレート・無料名簿・重複チェック
電話とフォーム、どちらで声をかけるか
企業への連絡手段は、電話か、企業サイトの問い合わせフォームです。
電話は営業時間中に店を抜けて架けることになり、受付で止められることも多い。問い合わせフォームなら、閉店後に落ち着いて送れて、担当者が読んだタイミングで返事が来ます。ワンオペに近い店ほど、フォームのほうが現実的です。
狙う業種や自分の時間単価で、電話とフォームをどう割り振るかを比べた記事があります。店舗のように人手が限られる場合の判断材料になります。
→ フォーム営業とテレアポを比較|狙う業種と時間単価で割り振りを決める
問い合わせフォームから送るときの基本と、法律の線
問い合わせフォームに営業の案内を送る手法は「フォーム営業」と呼ばれています。相手企業の窓口に直接届く反面、やり方を間違えると迷惑行為として扱われます。近所の会社が相手なので、評判はそのまま店に返ってきます。
最低限守ることは3つです。「営業お断り」と書かれたフォームには送らない。送るのは平日の日中だけ。断りの連絡が来たら二度と送らない。
呼び名の違いや始め方の全体像はこちら、違法になるかどうかを自分の運用に当てはめて判定する手順はこちらにあります。
→ フォーム営業とは?呼び名・法令・進め方の違いと始める手順
→ フォーム営業は違法か|送信前に自分の運用を6つの層で判定する手順
最初の一通は「挨拶+できること+空き状況」
長い店舗紹介は読まれません。「御社から徒歩5分のポーカールームです」「平日18時までなら20名まで貸切でご利用いただけます」「空き状況は返信いただければ当日中にお答えします」。この3行に店のサイトのURLと返信先を添えるのが、初めて送る文面の形です。料金は、本文に書くよりサイトの料金ページに誘導したほうが、文面が短く収まります。
初めて送る挨拶文の書き方と例文はこちらにまとまっています。
→ 新規開拓用DMの挨拶文【例文】初めて送る文書はこう書く
自分で送る時間がない店舗は、送る部分だけ任せる
リストを作って、断り表記を確かめて、日中に送る。この作業は、店の営業と時間が丸ごと重なります。
ここだけを引き受けるサービスとして、問い合わせフォーム営業の代行「スマートカイタク」(運営: 株式会社メカニズム、福岡市)があります。当サイトの運営会社と関係のあるサービスなので、その点はお伝えしたうえで紹介します。
地域は市区町村まで、業種や従業員数で絞った送信先リストを無料で作り、営業文を日中に配信して、送った先の一覧をレポートで返す形です。「営業お断り」の表記があるフォームは検知して外し、同じ会社には1ヶ月は再送しません。返信は店のメールアドレスに直接届き、商談の代行はしません。料金は送信件数に対する定額で、金額はサイトの料金ページに載っています。
法人の貸切や団体利用は、一度取れると毎年の恒例になりやすい需要です。平日の空きが気になっている店主さんは、まず近所の会社20社にフォームから声をかけるところから始めてみてください。
